偽ポメロ殺傷事件


初期構想:ポメロを使ったギャグシナリオ。(当然)

初期段階では『シーンに登場している特定のモンスターの数だけ強くなる』と言う特殊能力を思いついたので使いたいなぁ、と。
後、その頃初心者用というか低レベル用のセッションを組む必要があったので、ポメロに襲われたら面白いかなぁ、と言う事でポメロに白羽の矢が立ちました(ポメロに5点のダメージ。ポメロは砕け散った)。
ちなみに、実際には低レベル相手に使われていません。

※完全に余談ですが、某同人誌で少し触れている(予定)の三日連続セッションの、一回目でした。当然作り込む余裕など無く……。

本当に初期はそれだけで、シティシナリオ(情報を集める)の色を持たせたかったので、『街で情報を集めると、偽ポメロの出現率が変わる』と言う要素を追加。
したまでは良かったのですが、先にも書いた通り完全に時間がなかったので大した情報も練り込めず。
結局『ポメロは時間帯により、居る場所が変わる』だけしか練り込めず。(たぶん。他にもあったかも知れませんが忘れました)
それ以外に、普通に与える情報として『北側以外の、ラインの街周辺にまんべんなく出現する』を設定。

また、偽ポメロを探すために、色々とルールを設けました。
・『朝』『昼』『夜』と、一日を三種類に区切る。
・それぞれの時間で、捜索が行える。
・捜索の最初に、『東』『南』『西』のどの方角を探すかを宣言する。
・時間帯の合間に、簡単な行動を取ることが出来る。
・偽ポメロは重量5。
・稀に、他の冒険者達と鉢合わせる。

などなど。大まかにはこんな感じです。
後々変わっていくのですが、この時点では偽ポメロを倒せば捕獲できる、と言う事になっていました。

さて、ここまででゲームの主軸を考えました。今度はその軸に絡ませるための展開を考えます……が、これは簡単。
神殿の受付嬢であるフィリスが、冒険者をスカウトに来るのです。
神殿では、野戦病棟のような雰囲気が漂っています。重傷を負った新米冒険者が続々と運び込まれているからです。
……ここで、今までに知り合ったキャラクターをさり気なく出して、受けを狙おうと画策します。
それはさておき、冒険者達は神官の部屋に通され、正式に偽ポメロの捕獲を依頼されます。
また、ここで他の冒険者グループの存在も示唆しておきます。

そして一回目のプレイに入っていきます……。



完全なる内輪のセッションのため、既にネタと化した数々の定番を繰り返すだけで盛り上がっていきます。
そしてフィリスの登場。冒険者を募集している、と誘います。
まぁ、神殿に至るまでの経緯は何とでもなるので割愛。

神殿は、普段と違う物々しい雰囲気に包まれています。
それは、運び込まれる冒険者達によって作られており……と、ここでプレイヤーの一人が最初に作ったキャラクターも運び込まれます(ぁ)。
このキャラクター、これの前回のセッションで、マスターシーンで死んでいるんです。半ばネタで。
と言う訳で訳の解らない雰囲気に包まれ、場が盛り上がります。というか馬鹿が盛り上がります。

ちなみにこの時、フィリスを演じていて、さらっと二人称複数が『貴様ら』になってしまったことが、後々の展開に大きな影響を及ぼすのですが、少なくとも今回は関係ありません。

そして、神官の部屋に通される一行。名前はテキトーに……と思っていたら、頭の中にあったパリィが抜擢されました。
そのまま、プレイヤーの発言でパリィ・ポッターというもどきが誕生しました。
さておき。偽ポメロという変なモンスターがいるので捕獲しろ……と、予定通りに話を進めます。
この時、GMは紙に落書きをし始めました。話しながら、パリィを描いていきます。
何故かプレイヤー達の向きに描いていきます(詰まり、逆さに描いています)。
で、適度に変な顔を描きます。ついでに変な装飾を付けます。
今回はバッジでした。スマイルマークのバッジです。
そのバッジは何だ、と突っ込まれましたので、ノリで『ライン神殿 元気で賞』を捏造します。
もう少しパリィの絵で遊べそうでしたので、まぁ色々とバッジを書き連ねます。
リーダーバッジとか作ってました。

で、依頼です。適度なところで説明は切り上げ……その場の勢いで彼らを送り出しました。
ちなみに料金システムは皆が真面目に聞き入って下さいました。
偽ポメロの名称は『ポポポーポ・ポーポポ』などという名前になりやがりました。何でだ。

その後、昼下がりでしたので探索は明日から、今日は情報収集という方向へ誘導します(半ば強制とも言います)。
なぜかラインの街に存在する動物愛護団体。そこへ行って、変な支部長にポメロの生態について聞いてみたり。
盗賊ギルド(と言い張ってはいるがどう見ても乗馬クラブ)で情報収集してみたり。

そんなこんなで其の日が終わり、次からボードゲーム風味になっていきます。
説明は大味で済ませ、
といってもはっきりとは決めていなかった(決める時間がなかった)ので、ダイスを振らせてそれらしく展開を操っていきます。

というわけでご都合主義的に早速『ポ(ry』が二匹、現れます。
引き連れたポメロは十匹近く。
そんなわけでエネミースキル《王:○○(初期設定)》により、行動値が大体30という馬鹿みたいな速度で『ポ(ry』が動き始めます。

攻撃。ダメージ。其の威力に、沸くPLたち。
あるいは阿鼻叫喚の地獄絵図といいます。

何とか倒し、順調に『ポ(ry』を捕獲した一行。
懲りずにまだまだ探索を進めます。

・・・・・・

フィルボル団とか言う、フィルボルのみで構成されたギルドと『ポ(ry』の所有権を巡って争ったり(でもフィルボル団は瞬殺されていた)したのち、リアル時間の都合とかもろもろの事情で。
帰路に着いたのでした。


その後、何事もなく報酬も得、シナリオが終了となりました。
動物愛護団体での会話を最後に持って来て、次回への引きとするのですが……それは、また別のお話。


このようにして、概ね問題なく第一回目の『偽ポメロ殺傷事件』は幕を閉じました。

二回目のプレイでは最悪の結末を迎えるのですが……まぁ、それも別のお話。
疲れましたからね。

で、其の教訓を経て……以下のような完成形が生まれました。
おそらくこの時点で『偽ポメロ殺傷事件』はひとまずの完成です。また、改良や改竄が加えられるかもしれませんが……。

そうそう、この偽ポメロの出現が何者かの手によるものとして、後編とでも言うべき解決編を設定することは容易でしょうね。
原因としては、
・モンスターを密貿易する何者かの元から逃げ出した
・何者かの撒いた薬の影響
・自然のバランスが狂ったことによる突然変異
などが思いつきやすいところでしょうか。


シナリオ名:偽ポメロ殺傷事件
人数:3〜6人
 (ただし、範囲攻撃の有る無し、其の手段を持つ人のレベル等により、戦闘能力の調整には難しいものがあることを記す)
推奨LV:0〜3
 (高くてもそれはそれで対応できます)
舞台設定:ラインの街
 (ただし別の街でもまったく問題ありません。が、新米冒険者の多い場所のほうが望ましいでしょう)

<特記事項>
・シナリオクリアの条件は、単純にダイス目勝負になる。よって『失敗する可能性がある』ことは事前に示唆しておくこと。
 また、それが嫌ならば難易度を下げてしまっても一向に構わないが、逆に報酬が(GMにとって)酷いことになるかもしれないので其の点は留意すること。
・ギルドスキルで《目利き》を禁止する。しなくてもよいが、やはり報酬が酷いことになりかねないので注意。
・PCのフェイトの開放力(違)には注意すること。
・オリジナルスキルの存在:そもそもの、このシナリオの作成動機。
名称王:○○
タイミング本文
判定
対象
射程
コスト
効果○○ごとに、別のスキルとして扱う。
○○には、数文字の言葉を指定すること。
シーンに登場している、○○の文字を名前の中に含むモンスターの数の合計をXとする。
このXには、あなた、及びあなたと同じ種族の数も含めること。 なお、モブは一体として扱うこと。GMの判断如何によってはこの限りではない。

あなたは、能力値に以下の修正を受ける。
この数値は、変更してもよい。
LV:+[SL]×2
HPの最大値:+[SL]×10
MPの最大値:+[SL]×5
フェイトの最大値:+[SL](ただし面倒ならばフェイトは無しとする)

命中判定:+2X+[SL]D6
攻撃力:+XD6
回避判定:+[SL]
物理防御力:+3X
魔法防御力:+2X
行動値:+X
移動力:+X

また、自由にスキルを取得してよい。

以上が主な特記事項である。
偽ポメロの能力の性質上、どうしてもポメロの出現確率が高くなる。
その結果として、ポメロ人形を馬鹿みたいに取得することがこのシナリオでは可能となる。
その辺、PLたちにはモラルを守ってもらいたいし、マンチキンがいる場合にはこのシナリオをプレイすることはお勧めできない。

以下に、シナリオの大まかな流れを記す。
もしシーンを区切る必要が生じた場合、『導入1』『導入2』などの区分一つ一つを1シーンとするのがいいだろう。
また、中盤では『朝』『昼』『夕』という区分が発生する。
これは一つ一つを1シーンとしてもよいし、一日を1シーンとしてもよい。

<導入1>

神殿と繋がりがある場合(基本ルルブのサンプルシナリオをプレイしていたりする場合)
 宿にフィリスが来る。そして、あなた方にぴったりの依頼がある、人手がほしい、よろしく頼む、などといって巻き込もうとする。
 基本的にこの辺の交渉を楽しむシナリオではないので、ちゃっちゃと進めること。

神殿と繋がりがない場合
 どこでもいいので、神殿が新米レベルの冒険者を募っていることを知る。
 神殿に行かないようなやつがいた場合は速やかに帰る支度を整えること。

<導入2>

 神殿で依頼の詳細を聞く。
このとき、他の冒険者とすれ違わせたりして、自分たちだけが依頼を受けているわけではないことを意識させる。

 まずは、現在の大まかな状況を伝える。
初心者冒険者が、ポメロにやられている
  瀕死レベルの重傷を負った新米冒険者が神殿に多く運び込まれてくるが、皆が皆『ポメロにやられた』と言い張っている。
どうも其のポメロは、通常のものとはどこか違うらしい
(ここまでは噂などで知っていても構わない)
  ダイスを振って何か分からないか、と言うようなことをPLが申し出たのなら、適当に振らせた上で『目つきがおかしいらしい』と言う事を知れる
生態を調べるべく、神殿は件のポメロを捕獲することを決定した
 (生け捕るためにはドロップ判定のダイス目が高くなくてはならない、と伝えること)
 (なお、偽ポメロの重量は好きに決めて構わない。デフォルトは3)
  ドロップ値は、『パーティがドロップのダイスで振れる可能性のあるダイスの数』×3くらいが良いだろう。
  つまり、{2(基本の二つ)+X(一度に使えるフェイトの数)}×3である。
  このドロップ値は、それとなくでもPLに伝えた方が良いだろう。
偽ポメロはラインの街の北部以外で、満遍なく出現例が報告されている
冒険者を広く募り、生け捕らせることとした
  この辺はまぁ、『東』『南』『西』の捜索範囲と、『他のギルドと争う』などの理由付け。
期限は明々後日の日没(『昼』(後述)終了時に帰ればセーフ)まで。三日後の日没、とも言う。
  日没まで、の具体的な期限を伝えるため、この辺りからシステムについて解説すること
十分な数に達したら期限前でも期限を切ってしまう(リアル時間での期限設定)
  セッションを長引かせないための理由付け。
 『大体、○時くらいに締め切ることになるから。』と予め伝えてしまうと良い。
その知らせは花火を上げる
  そうですか。
直ぐに戻れば(そのときの時間の終わり(後述)で帰ることを決めれば)、まだ依頼成功とみなす
  これはもう、時間帯の説明をしないことには説明できませんね。

 『昼』などの単語が出てきた辺りで、平行して以下のシステムについても解説していくこと。
一日は『朝』『昼』『夕』『夜』の、四つに分けられる。その内、『夜』は『休憩以外は』特に行動できないものとする。
(区切り方はどーでも良いので、朝/昼/夜/深夜、などと区切ってもよい)
ラインの街の、北以外の区域で満遍なく出現しているので、探索区域を東・南・西、の三つに設定する。
『朝』『昼』『夕』では、探索を行える。どの区域を捜索するかを宣言してから、PL全員が平目で2D6する。これによって何かが起こったり起こらなかったりする。
上記の判定は一つの時間帯で、一度きりである。

 なんか途中に組み込むのもあれなんで。
<報酬の支払い方>※日数は、一日目=明日、二日目=明々後日、以降はそのように。
  一日目:100×PCの人数
  二日目:50×PCの人数
  三日目:0
  四日目以降:おとといきやがれ
さらに、捕獲数×200。


なお、特にシナリオ中で言及がなければ、現在は基本的に昼下がりである。
その辺も利用して、“明日から捜索開始”と言う方向に持っていく。
……いやまぁ、無理にとは言いませんが。
一応、今日のうちにある程度情報収集をさせることで、明日から気持ちよく(後腐れ無く=無駄な時間を省いて)探索に臨めるだろう、と言う目論見である。


<情報収集>

ある程度調べるだろうと思われる所を羅列していく。
・神殿
・何らかのギルド(恐らく盗賊だろうけど)
・動物愛護団体(あるのか?→うちの所ではありました。)
・被害に遭った冒険者
・強い冒険者
 このくらいだろうか?(きっとそんなことはない)
 ちなみに情報収集する手順が大事なのではなくて情報収集することが大事なので、ある程度情報は過剰に与えて構わない。

 情報は以下に列挙されているので、まぁテキトーに与えるべし。
・ポメロは暖かいところに集まる傾向があるらしい
→日照時間の関係で探索時のダイスに+2される
・ポメロの生け捕りのやり方
→特に細かいことは言わないのでテキトーに設定しても良い。ドロップ難易度−1。
・偽ポメロの外見特徴
→微妙にポメロとは異なっているらしい。識別値は本来15だが、この情報を得ることで13で判るようになる。
(ただし戦闘開始と同時に猛烈な速度で動いてくるので、直ぐ判るだろう)
・ポメロの良く湧く場所の情報
→捜索のダイスボーナス+1。

こんな所か。大体PLが二、三個所を調べると共に「では、そんな感じで夜が更けていく」とか言って日付を変える。
二、三個所調べればPLの方もネタ切れなので、GMから奨めるこの提案は歓迎される(ハズ)。
もし、他にも調べたいと願うPLがいればその場の雰囲気に従うこと。調べさせる場合、『もうめぼしい情報はない』と教えてしまうのもアリだろう。

<捜索開始>

先ず、2D6する場合の処理を記す。
ダイス目
すか。 すか。
10 5 偽ポメロ
11 5 偽ポメロ 7 偽ポメロ
12〜 5 偽ポメロ 3 偽ポメロ 9 偽ポメロ 偽ポメロ
パーティが強い場合は強、弱い場合は弱。狂はある意味で挑戦。
でもまぁ、防御力無視されたら瞬殺されるけど。

このとき、ゾロ目が出た場合はイベント発生。別途2D6をしてもらう。
(1D6だと、出目が同じなのにイベントの結果が変わっておかしい、と言うことになりかねないので。怠慢を見破らせない防護策。)
偶数で偽ポメロ一匹追加、奇数で冒険者がやられている(=偽ポメロのHPが半分になっている)。
この辺はもう少し弄っても良いだろう。
なお、あまりに偽ポメロが出過ぎた場合は『さらにポメロが出てきたね』とか言っておく。
処理が非常に面倒なので、偽が三匹はきついと思う。
ので、『2D6の、小さい目の数だけポメロを出す』、とかするとそれらしい。
偽ポメロが出なかった場合は、戦闘は省略すること。
 その上で、
・出るはずだったポメロの数を『倒した敵のLVの合計』に加算
・出るはずだったポメロの数×10G取得
・みんなで『HPかMPを1D6点減少/フェイトを1点減少』のどちらかを選択
させること。

なお、“日照時間”の情報を持っていようがいまいが、
『朝』に『東』、『昼』に『南』、『夕』に『西』を捜索するとダイスボーナス+2。

偽ポメロはポメロを統率する能力を持っている。
そのため、ポメロはがむしゃらに突っ込んでくることも、一つのエンゲージに固まることもない。
だいたい二、三匹ずつのエンゲージになって戦況を見守っている。

偽ポメロ(《王:ポメロ》LV3を所持) LV7
 種別/属性/能力値:ポメロと一緒
HP:35 MP:20 Ft:3
攻撃:体当たり 命中値:1+2X+5D6 ダメージ:(X+5)D6
回避判定:+4+2D6
物理防御力:+3X
魔法防御力:+1+2X
行動値:+2+X
移動力:+7+X
《王:ポメロ》Lv3
ドロップ:ポメロと一緒

強でLV4、狂ならLV5のうえに《トリプルブロウ》《インテンション》《王の呼び声※》を取るといい感じに地獄を見せられる。

※《王の呼び声》コスト:5
 セットアップに使用する。
 自分のエンゲージに、[SL]D6体の、《王:○○》の○○に該当する好きなモンスターを呼び寄せられる。
 このスキルは、《王:○○》を取得していないと取得することは出来ない。
 また、《王:○○》を持つモンスターを呼び寄せることは出来ない。

<捜索終了>

 まぁこの辺は個々人の好きなように演出するがいいさ。

<備考>

偽ポメロを捕まえられなかった場合は、『ミッションを達成した』に+3点。
捕まえた場合は、捕まえた数だけ7を加算。
イベント発生時に倒れている冒険者は、「フィルボル団」「ネヴァーフ団」「まんちきんっ♪」「ルーニーズ」など、どーでもよさげなギルドの連中を出すと良いのでどうでもよさげな名前をあげておく。
フィルボル団:フィルボル以外の種族を下等生物と定めると言う、危険思想を持つギルド
ネヴァーフ団:ネヴァーフ以下略
まんちきんっ♪:マジックアイテム万歳、《加護》万歳な連中。彼らのアイテムを奪えば、彼らのギルドに仲間入りできる。
ルーニーズ:グーニーズのパロディ。自分の命よりはネタを優先させるよく判らない人達。