〜若き英雄の絆〜
プロローグ
あの動乱から10年が経った。
結婚もして子どもも2人産んだ。
しかし、私は今もなお白き月に仕える月の巫女である。
動乱終了からまる10年が経った日。
私は動乱終了の記念式典に参加した。
なつかしい顔ぶれも集まっている。
しかし、彼には会うことができなかった。
そう、動乱を止めた英雄が・・・。
彼の消息を知るものはごくわずか。
動乱時、直属の部下だった私ですらはっきりとは知らない。
英雄は伝説となろうとしていた。
しかし、事実を正確に知っている人間は少ない。
現場を知っている人間が少ないのも理由だ。
このままでは事実とは異なった話になってしまう。
危機感を感じた私は昔の仲間の力を借りて話を書くことにする。
皇国を救った・・・。
若き英雄の絆を・・・。
「一度は覚悟を決めた。今生きているのが不思議なんだ。」