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プロローグ

――――『妖星乱舞』――――



別名、『悪魔の暴風』。
銀河を渡る者なら、一度は耳にした事がある伝説的な死の宙域。
一つ一つは小さな、せいぜい直径15メートルほどの岩石なのだが。
それが惑星1個ほどもある膨大な範囲に、密集して流れている。
巻き込まれたなら、たとえロストテクノロジーの粋を結集した電脳戦艦でさえ、1時間と持たないと言われている。

この物語は、エルシオールが妖星乱舞に巻き込まれる、その少し前に起こった『小さな事件』について、その全容を明かす ものである。
そして運命の日、5人の天使達がいかに気高く、勇敢に、そして無謀に、悪魔の暴風へ身を堕としていったのかを明かすも のである。






「損な役回りだって事は分かってる。それでも、後始末役で構わない。私がこの子を守ってやるんだ・・・・・・ってね」
―――― 蘭花・フランボワーズ






「ミルフィーさん、あなたこそ・・・・・・エースですっ!」
―――― ミント・ブラマンシュ






「・・・・・・尊敬する人だから・・・・・・」
―――― ヴァニラ・H(アッシュ)






「さあ、よーく見てるんだ。目をそらさずに、あんたのためにボロボロになっている男の姿を、最後まで見届けるんだ。 それが、あんたの義務だっ!」
―――― フォルテ・シュトーレン






幼い頃、彼女は賛美歌を歌っていた。
言葉ではなく音として覚えた、古(いにしえ)の歌を。
意味も知らずに歌っていた。
それが神に捧げる歌だということさえ、知ったのはずいぶん後になってからだった。
ただ、荘厳な旋律と 敬虔な詞の韻に胸を高鳴らせて ひとひらの、ささやかな幸せを願って。






『私は、幸せでした』
――――ミルフィーユ・桜葉






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―――― Amazing  Grase ――――