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いいかげんにしてほしいですわ

「皆さん、お久しぶりです。ミントですわ、本日は三回目の私のエピソードをお届けするつもりで、参りましたわ。ゆっくりと楽しんでいってほしいですわv」
それは、ある夏の暑い日のウォルコットの一言から、話は始まった。
「えー、皆さんに重大なお知らせがあるんですけど」
「中佐、私達だって忙しいんだから早くしてちょうだい」
「ぶっ、あはははははは」
「ノーマッド、あんたに何がそんなに面白いのよ」
「あなた方の何処が忙しいんですか、占いしてたり、銃いじくってたり、駄菓子食べてたり、料理してたり、少しはヴァニラさんを見習ってほしいですよ」
「あら、ノーマッドさんどなたのことを申し上げてるんですのv」
「そうだねぇ、いったい誰のことを話してるんだい、ノーマッド」
と、まぁ、いつもどうりノーマッドがボコボコになった後。
「あの、皆さん、そろそろ発表してもよろしいですか」
「ええ、構いませんわ、中佐」
「日頃、がんばっていらっしゃるエンジェル隊の皆様にお盆の休暇を一週間与えます、存分に楽しんでください」
しかし、言い終わった時にエンジェルルームには誰もいなかった。
「さて、私の折角の休暇をどう過ごしましょうか」
そして
「そうですわ、私、実家に帰って父からお金を頂きに参ることにしますわ」
そう言うと彼女はトリックマスターでブラマンシュ星にある実家を目指したのだった。
そして、その日の夜彼女は実家についたのだった。
「お父様、ただ今帰りましたわ」
これを迎えない父ではなかった。
「おぉ、ミントやっと実家を継ぐ決心をしてくれたんだな」
「あら、違いますわ、私、お盆の休暇を利用してお父様に会いに来ただけですわ」
とりあえず、ダルノーはミントを家の中に迎え入れた。
「はぁ、たまにはいいですわ、豪華な生活も久しぶりですし」
「メーモーン」
ペット(?)のメーモンも彼女を歓迎しているようだった。
「まぁ、メーモンお久しぶりですわ」
どうやら、メーモンも嬉しいようであった。
そして翌朝
メイドA「ミント、お嬢様朝食のお時間です」
「ふぁい、わかりましたわ、すぐに参りますわ」
「こら、ミントいつからそんなにだらしなくなったんだ」
どうやら、昔のミントはこんな風ではなかったらしい
「そんなだらしない奴は朝食抜きだ、外でも走って目を覚ましてきなさい」
「わかりましたわ、お父様」
そう言うと、彼女はメーモンと共に外へと向かった。
「はぁー、朝の散歩はいいですわ」
「メーモーン」
そして、30分後彼女は屋敷に戻ったのだった。
「お父様、ただ今戻りましたわ」
「戻ったかじゃあ今から稽古事だ、部屋に行きなさい」
彼女は今ごろになって戻ってきて失敗したと自覚した。
「わかりましたわ、お父様」
家庭教師A「ミントお嬢様では、バイオリンのお稽古を」
しかし、ミントも長年やらされているだけあって、かなりの腕であった。
家庭教師A「まぁ、ミントお嬢様、相変わらず素晴らしい演奏ですこと、では、本日はこれで私は失礼します」
家庭教師B「ミントお嬢様、数学担当の者です、とりあえずこの問題を解いてください」
ミントは16で大学院レベルの問題を解くはめになった。しかし、彼女はものの数分で問題を解き終わり、そして全問正解だった。
「流石は、ミントお嬢様だ、私はこれで失礼するよ」
家庭教師C「私、外国語担当の者です」
そう言うと、彼女は何カ国もの言葉を次々と出していった。しかし、彼女はすべて正解だった。
「では、私の授業はこれで」
こうして、あと数十名の家庭教師の指導を受けたが彼女にとって、難しいことはなかった。これは、ダルノーがミントの能力低下を心配しておこなった、テストだが彼女の能力はまるで衰えてはいなかった。こうして、ミントは鬱な日々を七日間行い、そして七日目の夜、帰ることになった。
「ミント、少ないが父からの気持ちだ使ってくれ」
父はミントが一番楽しみにしていた現金を渡した。
「それと、これエンジェル隊の皆さんと仲良く食べるように」
「ありがとうございますわ」
今日のダルノーはいつもより優しかった。しかし、ここからが本当の地獄になるのかもしれない。
「あぁ、お父様、私しばらくメーモンを預かってもよろしいですか」
「あぁ、構わないよ、連れて行きなさい」
「ありがとうございますわ、では、お父様また会える日を楽しみに待っていますわ」
そして、彼女は帰路についた。そして、エンジェル基地を目指して、飛び立ってから3時間位の時、彼女は、ある惑星の前でトリックマスターを止めた。
「まぁ、きぐるみの半額セールをなさってますわ、折角、父から頂いたお金ですが、私きぐるみに使いますわv」
彼女は、その星に着陸し、きぐるみのセールを行っている、デパートを目指した。
しかし、そのデパート内は静まり返り客一人として見かけることはなかった。流石に彼女も不思議に思ったが、きぐるみ売り場に到着した瞬間、我を忘れ夢中で飛びついた。
そして、地獄が始まった。
きぐるみを選んでいる彼女の頭上に突如、鉄格子が落ちてきたのだった。
「どなたですの」
彼女は冷静にそれだけ聞いた。すると聞き覚えのある声が返ってきた。
「やぁ、ミントお嬢様お久しぶりです、私、ダルノー様が唯一結婚を許してくださった、許婚の海人です」
彼女は呆れて、何も言えなかった。しかし、彼は別の方向に捕らえたようだ。
「おぉ、ミントよ僕との再会が嬉しくって黙ったんだね、でも、大丈夫三日後ここで結婚式をするんだからな、あーはっはっはっはっはー」
そう言うと彼はミントを牢屋に入れさせ、結婚披露宴の準備を始めたのだった。
「何で私があんな脳みそ空っぽのアンポンタンと結婚しなくてはならないんですの、しかも、この部屋」
彼女は、自分が入れられた牢屋の警備の硬さに驚いたのだった。
「扉は電流が流れてますし、窓はないですわ、それに床はチタン合金で出来てますから少しの事じゃ壊せませんし、門番は50人以上いますし、もぉ最悪ですわ」
「そうですわ、このクロノクリスタルなら皆さんに連絡できるやも知れませんわ」
早速試してみたがノイズが聞こえてくるだけで繋がる様子もなかった。
「おかしいですわ、クロノクリスタルならどんなに離れていても使えるはずですのに」
彼女は無理とわかると諦め、最後の希望を信じた。
「メーモンをトリックマスターに置いてきましたから助けてくださると嬉しいのですが・・・」
彼女はこれを信じるしかなかった。そして、翌朝エンジェルルーム
「ちょっと何で、ミントだけ休暇が終わっても帰ってこないのよー」
「そうだねぇ、ミントのことだからねぇ・・・・・・」
「まったくミントさんはどちらにいかれたんだか、それにしても皆さん少しはヴァニラさんを見習ったらどうです、ヴァニラさんは3日間だけの休暇後から一人で働いているんですよ」
「いいじゃない、中佐が一週間くれたんだし、三日で終わらせる方が悪いに決まってるわ」
「ヴァニラも三日と言わず、もっと楽しめばいいのに」
「これが仕事ですから」
「あぁ、ヴァニラさん・・・・・・・・・」
「あんたは黙ってろ」
ランファとフォルテの二人に殴られ、ノーマッドは黙った。
「ところで、ヴァニラ、あんた休暇中は何をしてたんだい」
「それはですねー・・・・・・・・」
「あんたなんかに聞いてないわよ」
今度は二人のけりが炸裂した。
「でっ、ヴァニラどうなんだい」
「シスターの元へ帰り、二日間修行してきました」
すると、フォルテとランファは無言でエンジェルルームを去っていった。
その頃、ミントは
「お願いですわ、メーモン助けにきてほしいですわ」
彼女は願い続けるしかなかった。
その頃、トリックマスターは海人によってデパート(結婚披露宴の会場)の地下に運ばれていたのだった。ミントは最上階(10階)に捕まり、メーモンは最下層(地下三階)のトリックマスターの中にいるのである。しかし、メーモンはミントが戻らないことに気づき、助けに行く覚悟を決めた。メーモンはフヨフヨとトリックマスターから飛び立ち、最上階を目指すことにした。しかし、地下〜一回までは得体の知れぬモンスターの生息地であった。
モンスターA「うぉぉぉぉぉぉぉぉ」
突然、メーモンにモンスターが襲い掛かった。しかし
「メーモン」
彼は、この鳴き声(?)の後に口から凄い物を発射した。モンスターは塵になり消えていった。
そして、メーモンは何とか、一階まで上がることに成功した。そして、彼は海人の兵士をことごとく、粉砕し、そしてやっと10階に辿り着いたのだった。しかし、ミントの捕まっている、牢屋の前にいる、門番にメーモンの凄い物が通用しなかったのである。
「どうした、そこの犬その程度か」
しかも、犬に見えているようだった。
「仕事の邪魔だ、あっち行ってくれ」
彼は、手にしていた釘バットでメーモンを殴った。鈍い音と共にメーモンはその場に崩れ去ったのであった。
「ふー、ゴミは捨てないとな」
と、門番が拾い上げたとき、メーモンは唯一、守りを固めていない顔を目掛けて凄い物を発射した。そして、門番は首から上を飛ばされ、そして生き絶えたのであった。そして、メーモンはミントを救出したのであった。
「メーモンありがとうございますわ」
ミントは嬉しさのあまりに泣いていた。
「ありがとうございますわ、メーモン、傷痛くありませんか」
先ほどの門番の釘バットの一撃の影響でメーモンも相当のダメージを受けたようだった。そして、彼女は泣き顔を変え、恐ろしい顔で海人の元へと走った。
「おぉ、ミント僕との結婚式が待てずに僕のところへ走ってきてくれたんだねぇ〜、待ってたよ、ミント、愛してるよ」
しかし
「海人さん貴方は私がお会いした殿方の中で一番最低な方でしたわ」
そう言うと、海人にビンタを喰らわせた。
「さぁ、帰りましょうか」
「メーモーン」
二人が帰ろうとした時
「よくも僕の顔を、ちょっと可愛いからってつけあがるんじゃねぇぞこのクソガキが」
ついに人格崩壊したが、彼を無視しミントはトリックマスター取りに向かった。先のメーモンの活躍よって、襲いくるモンスターは一匹も残ってはいなかった。そして、ミントはトリックマスターを回収し
帰路に戻った。
「ふー、疲れましたわ」
しかし
「コラァー、このクソガキが」
海人が戻ってきた。しかも、かなりの数の艦隊を引き連れて戻ってきた。
「うふふふ、海人さん申し訳ないですわ、そんなに艦隊を用意して頂いたのに、後数分でスクラップになるんですから」
すると、エンジェル基地の方から残り四機の紋章機がこちらに向かってきた。ミントが彼女らをどうやって、説得したかは知らないが、四機の紋章機は本当に、一分も掛からず、この大艦隊を破壊したのであった。
「皆さん、ご足労、有難うございますわ」
「女の敵を倒さずに銀河の平和は守れないからねぇ〜」
「そうだね、ランファ」
珍しく、ミルフィーユも賛同しながら
「でも、皆さん私達、女の敵はあの一番大きな艦に乗られている方ですわ」
その瞬間、海人は固まった。
その後彼がどうなったかは、誰も知るはずがない・・・・ED