短冊に願いを
ある七月の少し暑い日の午後、突然ノーマッドがそれを口にした
「皆さんのようにガサツナ方たちは知らないでしょうねー、七月七日が何の日かだなんて」
ドキュン!
突然、銃声が鳴り響いた。そして、銃弾は、ノーマッドの額の部分に命中し後方に、吹っ飛んだ。彼女が発砲したのである。そう、彼女とはムーンエンジェル隊の一人フォルテ・シュトーレンであった。
「誰が、ガサツだって?」
「もおー、いきなり撃たなくっても、ねぇヴァニラさん?」
ノーマッドに呼ばれた、ヴァニラという少女もまた、ムーンエンジェル隊の一人、ヴァニラ・H(アッシュ)であった
「・・・、発砲は駄目、神は平和に問えとおっしゃっています」
「流石はヴァニラさん、皆さんも少しは見習ったらどうです?」
ごつん!
突然、彼の腹部に彼女のアッツパーがクリーンヒットした。ノーマッドはその威力に耐え切れぬまま、遥か後方へと吹き飛んだ。そして、彼女は、こう言った
「うるさい!、このスクラップ」
「もぅ、ランファさん痛いですよ〜」
この、ランファと呼ばれた少女もまた、ムーンエンジェル隊の一人、ランファ・フランボワーズであった。
「ところで、ノーマッドさん七月七日には何があるんですか?」
と、ボケた一言を言ったこの少女も、ムーンエンジェル隊の一人、ミルフィーユ・桜葉だった。
「まぁ、ミルフィーさんご存知ないんですの?」
と、知っている口調で言う彼女も、ムーンエンジェル隊の、ミント・ブラマンシュであった。
「えっ、何なんですか、ミントさん?」
「七夕ですよ、七夕」
「なんだい、ミント七夕ってのは?」
「あっ、あたしも聞きたーい」
「七夕がどんなものか、興味があります」
「七夕はですねー、・・・・」
しかし、ノーマッドがこれ以上喋ることはできなかった。
「あたしゃ、ミントに聞いてるんだよ、スクラップはそこで大人しくしてな」
と銃口を突きつけた。
「では、私が七夕について簡単に、ご説明いたしますわ。一言で言い表しますと、宇宙竹に願い込めた短冊をつるし、満点の夜空に思いをはせる一夜の事ですわ。」
「ミントさん、それじゃ肝心の天の川の話がないじゃないですか」
しかし、そんなノーマッドの話を無視しなおも、ミントは話を続けた。
「あと、これは伝承なのですが、七夕の日にしか見つけることのできない幻の何でも願いを叶えることができる宇宙竹の形をしたロストテクノロジーがあるそうですわ、本日は、七月五日、皆さんでこのロストテクノロジーを探しに行きませんか?」
いつもなら、このようなおいしい話を人に話すはずのない彼女がどうして、急にこのような事を話したのか、答えはわりと簡単だった。
(うふふふ、私一人で探しても見つかりませんし、それに、私がこのような労働をするのも嫌ですわ、それにもし、万が一皆さんが見つければ、それを奪えばいいだけですわ)
これが、彼女の本音であった
そんな、事ととも知らずにエンジェル隊の5人の少女のうち、二人が特に目を輝かせていた、そう、ランファとフォルテである。この二人の本音はこうであった。
(ミントがどうして、こんなおいしい話を教えてくれるかは知らないけど、これで銀河中のありとあらゆる、銃は私のもんだよ)とフォルテ
(銀河中のいい男、それにありとあらゆる富と名声は、私のもんだわー)とランファ
二人が、怪しげな笑いを浮かべてる中ミントも自分の願い事が叶ったあとのことを思い浮かべながら、一人ニヤつきそして耳を上下に何度も動かしていた。
(うふふふ、これで世界中のありとあらゆる、あれに囲まれて生活できるんですわ、なんて夢のようなんでしょ。)
三人が、自分の妄想に浸っていると、突然ノーマッドが口を開いた。
「皆さん、どこにあるかもわからないものを後、二日で見つける気ですか?本当に、知能のない方たちだ、その点ヴァ・・・・・」
やはり、彼はこれ以上喋る事はできなかった。何故なら、フォルテとランファが物凄い顔でノーマッドを睨んでいたからだった。
「あ、あは、じょ、冗談ですよ。ただ、私のCPUに記録されている地図を見たほうが早いんじゃないかなーと、思いまして」
しかし、言い終えた彼はやはり、この二名にボコボコにされたのだった。
「ちょっと、あんた持ってたんならはじめから出しなさいよ」
「エンジェル隊のリーダーとして関心しないねぇ〜、そういう私たちに利益があるものを隠し持っているなんて」
そう、二人が言い終えた後、彼は一通りボコボコにされ、ついに何も話すことができなかった、しかし、この地図こそが後の彼の運命を決定するとは、誰も思っていなかった。とりあえず、ミントが彼のメモリーを調べてみると確かに、そこには一枚の地図のデータがあった。ミントはそれを各エンジェル隊の紋章機のメインモニターに映した。確かに、そこには惑星Bambooと書かれた星にバツ印がついていた。
「ここからは、さほど遠い距離じゃなさそうですわ」
しかし、そんなミントの一言も虚しく、ランファの紋章機はすでに宇宙に飛び立っていた。
作者談、一応、各紋章機についてご説明いたします。すでにご存知の方どうぞ、飛ばしてください。では、はじめます
まずは、一番機、ミルフィーユ・桜葉が乗っているのが、ラッキースターです。特徴は、一番バランスがいい機体であることです。しかし、扱うのはとても難しく彼女の強運がなければ、動くことはまずないでしょう。
続いて、二番機、ランファ・フランボワーズが乗っているのが、カンフーファイターです。この機体の特徴は、紋章機の中で一番、機動力が高いことです、しかし、機動力を高めたため、装甲は低くなっています。
続いて、三番機、ミント・ブラマンシュが乗っている、トリックマスターです。この機体の特徴は、長距離から攻撃が得意と三機のフライヤーと呼ばれる、遠隔操作の攻撃衛星が飛び回っている点です。
続いて、四番機、フォルテ・シュトーレンが乗っている機体、ハッピートリガーです。この機体の特徴は、紋章機の中で一番の火力と装甲です。しかし、その分機動性は、低めになっています。
続いて、五番機、ヴァニラ・Hが乗っている機体、ハーベスターです。この機体の特徴は修理機能があること、です、もともと、戦闘向きの機体ではないので、火力は低めになっています。
一通りの紹介が終わったので、本編に戻ります。この設定に関してクレームは受け付けています。
そして、ランファの飛び立ったあとの格納庫では、フォルテとミントも慌てて発進した、それを、追う形でミルフィーユとヴァニラも発進したのだった。
そのころ、追ってくる四人よりかなり先を進んでいく、ランファはこうつぶやいた
「やりー、これで世界中の・・・・・」
しかし、彼女はこれ以上喋ることはできなかった、追いついてきたミントが後方から、フライヤーの一つでカンフーファイターに攻撃を仕掛けたのだった、しかし、これもミントの作戦にすぎなかったのであった。
「ちょっと、よくもやってくれたわね」
そう言うと、ランファはカンフーファイターのアンカークローをトリックマスターめがけて発射した。しかし、ミントは、それを軽々と回避した。これこそが、ミントの狙いだった、ミントが回避した。アンカークローはミントのトリックマスターの後方を飛んでいた。フォルテのハッピートリガーに見事命中したのであった。流石の、ハッピートリガーもかなりのダメージがあったようだ。しかし、ミントは自分の作戦が成功したのを見届け、そして、目的地に向かって飛び立ったのだった。そう、ミントの狙いとはランファを挑発し、怒った彼女が自分に攻撃を仕掛けてくると、予想しそれを回避し、ハッピートリガーに命中させ同士討ちにさせるものだった。そうともしらない、フォルテは鬼の形相で
「ランファ、テメーよくもやりやがったな」
と一言、罵声を浴びせカンフーファイターに攻撃を仕掛けるのだった。少し、怯えた、ランファだったが、ついに、自分たちの目的も忘れ争い始めたのだった。そのころ、ミントは、惑星Bambooの近くにある惑星で、一泊することにしたのだった。
「ふぁ〜、今何時ですの?いったい、まぁ、こんな時間、私のような可愛らしい女の子が町を歩いていたら危ないですわね。とりあえず、本日はこの町で一泊することにしますわ」
と、決めヴァニラにクロノクリスタルで連絡したのだった。その頃、ほかの四機はというと、ハッピートリガーもカンフーファイターもかなりぼろぼろになっていた、このような事態になったのは、なにも二人が戦っただけの理由ではなかった。さかのぼること数時間前、二人が争っている場にラッキースターとハーベスターが追いついた時のことだ、とりあえず、ミルフィーユとヴァニラは二人に争いをやめるよう、呼びかけた
「二人とも喧嘩はダメですぅ〜」
「争いは、駄目」
しかし、フォルテもランファも争いを止める気はなかった。そこで、ミルフィーユは、誤ってラッキースターのビームのボタンを連打してしまったのである。そして、彼女の運にいざなわれるがままに、ビームはハッピートリガーとカンフーファイターに命中した。二人ともこの奇襲に気づかず的になってしまったのである。そして、二機は行動不能になったのであった。
「もぉ、またミルフィーの運のせいで私たちがこんな目にあわなきゃいけないわけ?」
と、ランファ
「ミルフィーの運には参ったよ、ここはいったん休戦するしかなさそうだしね」
と、フォルテ
「よかった〜、二人ともケンカ止めてくれたんですねぇ〜w」
「もぉ、あんたのせいでしょ、まったく」
「まぁまぁ、ランファ落ち着いて、ところで、ミントは?」
「ミントさんでしたら、先ほど惑星Bambooの近くの惑星で一泊するので皆さんにも集合してもらいたいそうです。」
「あの子、いつの間にそんなとこまで行ったのよ、いいわ、その惑星で合流しないで、先に惑星Bambooまでいってやるから」
「機体の損傷から考えて単独で惑星Bambooまでの、航行は不可能です」
「そうみたいだねぇ、じゃあ、ミント言うとおり合流しますか」
「仕方ないわね」
「じゃ、ヴァニラ、ミルフィー悪いけど、私たちの紋章機、引っ張ってくれる」
「了解しました」
「はい、わかりました」
そして、四人はミントのいる惑星まで急いだ、ヴァニラに引っ張ってもらったフォルテは無事にたどり着けたが、ミルフィーユに引っ張ってもらったランファは死ぬような思いをしたらしい。数時間後、四人はミントと合流した。ミントは、ある宿の前で四人を待っていたのだった。その宿がミントの色仕掛けで宿泊させてもらえることになった宿とは、誰も知らなかった。そして、宿に入ると小さな女の子が出迎えたのだった。
「いらっしゃいませにゅ」
そして、その女の子の後ろら先ほど、ミントに色仕掛けされた、宿の主が出てきたのだった。
「いらっしゃいませ、五名でよろしいんですよね?」
確認のために、店主がミントに尋ねた。そして、ミントはちょっと可愛らしく、耳を動かしながら答えた。
「ええ、そうですわ、今夜はよろしくお願いしますわ」
店主は、嬉しそうにニヤケながら、宿の奥の方に小さな女の子とともにいってしまった。奥に行った後、小さな女の子の方が口を開いた
「海人、どうしてタダでとめるにゅ?」
彼女は、少し怒っていた。しかし、海人と呼ばれた男は、なおもニヤケながらこう答えた。
「だって、可愛いじゃん」
「もしかして、それだけかにゅ?」
少し、呆れて女の子は、海人に訪ねた。
「もちろん」
「もぉ、お前だめにゅ、ぷちこ出て行くにゅ、お世話になったにゅ」
「ちょっと、待ってよぷちこちゃん」
「もぉ、お前に用はないにゅ」
そういって、ぷちこは出て行った。
「あぁ、ぷちこちゃん」
店主は、暗い気分のまま自室に戻っていった
そんな事とは知らないこの事件の犯人であるミントはエンジェル隊とともに、言われた部屋へと向かった。その部屋は、店主お勧めの一室らしく内装はかなり豪華なものだった。彼女ら五人がいても、まだ、10人は入れそうなスペースがそこにはあった。その広い部屋で彼女たちは思い思いの方法でくつろぐのだった。ここの惑星に着くまでに一日を費やしたので、七月六日になっていた。いよいよ、明日が七夕なのである。と、そこでミルフィーユが立ち上がった。
「私、お風呂行ってきますね〜」
「おぉ、行っといでミルフィー」
と、リーダーのフォルテだけが彼女を見送ったのだった。しかし、その場にミントがいないとは誰も気づいてなかったのである。ミルフィーユは浴室へと向かう途中、何かが動く気配を感じた。そこは、関係者専用の通路の方だった。きっと、店主だろうと挨拶をしようと、彼女は考えたしかし、その方向から怪しげな足音も聞こえたのであった。とても、人間の足音ではないと、彼女でも即判断できたしかし、ここからの行動はまるで、ほかの人間とは異なっていた。
「ここの、宿ってペンギンさんでも飼ってるんでしょうかねぇ〜?」
と、楽天的に動物判断してしまった彼女に恐怖が訪れた!?
「あれ、あのペンギン私のほうから、遠ざかってく〜、え〜なんでですか?お〜い、やっほー」
彼女は、手を振ってそう声をかけた、しかし
「変ですね、ペンギンさんってあんなに白くてまるかったかな〜」
流石の彼女も不信を抱いた、かと思えば
「きっと新種のペンギンさんなんですねw、あ、私、お風呂行く途中でした〜」
と、考えをお風呂に戻した彼女はすぐに浴室の方へ行ってしまった。さて、この白くて丸い物体はなんだったのか、それは宇宙パンダのきぐるみを着たミントだった。このきぐるみを持ってきたか?とか、そんな事は考えないでくださいねw。
「ふぅ〜、危ないところでしたわ。この辺りで見つけた宇宙パンダのきぐるみを試着して、関係者通路なら見つからないと思い、お散歩を楽しんでいたらミルフィーさんが現れるなんて」
と、彼女は考えを巡らすのだった。そして、その夜、彼女たちには珍しく何事も起こらなかった。そして、七月七日の早朝泊めてくれた店主に別れを告げ、彼女たち再び惑星Bambooを目指すのだった。ちなみに、一昨日、行動不能になってしまった。カンフーファイターとハッピートリガーは、昨日のうちにヴァニラが直してくれたので飛ぶことはできるようになったのであった。しかし、それは応急処置であって基地に戻りちゃんと修理するまで戦闘は不可能な状態だった。だから、今日は二人とも静かなのであった。ミントも、何を考えているかはわからないが、争う意思はなかった。しかし、突然彼女たちは気づいてしまったのである。すでに、惑星Bambooがあるべき位置にきても、惑星がないことを、と、フォルテが一言
「何で、惑星がないんだい」
と、ミントが事実に気づいた
「もしかして、私たちノーマッドに図られたんじゃないでしょうか?」
そう、彼女はこれを考えていたため静かだったのだ
「えー、それってどういうことなんですか〜」
と、ミルフィーユがボケた事を発言した。
「あんたは、黙ってなさい」
と、ランファにこれ以上の発言を止められたミルフィーユはむすっと、怒ったが、フォルテの一言で、ランファとミントも同意したため、即、基地に戻ることになった。
「ノーマッドを殺したいかー」
「おう!」
と、ア●リ●お●だ●ウ●ト●ク●ズのパクリ台詞を、ランファとともにいい終わった。フォルテは基地へと急いだ。
「うふふ、私もお手伝いいたしますわ」
と、ミントも同意した。
「嘘は、ダメ」
と、ヴァニラまでが同意する結果になった。そして、来たときよりも3倍近くの速度で基地に戻っていった。数時間後、彼女らは基地に到着した。そこには、あまりの恐怖に震え上がっていた。ノーマッドがいた。フォルテとランファは凄い形相でノーマッドを睨み付けた。
「コォルァ、ノーマッド」
「ノーマッド、私たちを図るとはいい度胸ね」
「うふふふ、覚悟はよろしいですか?」
「神は、嘘をゆるしません」
「皆さん、ケンカはダメですよ〜」
「ミルフィーさん、争いではありません、神がこの者に罰を与えるだけです」
「な〜んだ、、そうだったんですか」
「それでは、参りますわよw」
エピローグ
その後、いく時が過ぎた後、彼女たちのノーマッドへの攻撃を終了した。なぜ、ノーマッドは、彼女たちに偽の地図を渡してしまったのか、それは、彼自身のプライドだった。いつも自分の知識を自慢していた彼にとって、伝承の場所を知らないなどということは許されなかったのであった。そんなことはさておき、ミルフィーユがミントと一緒にエンジェルルームに入ってきた。
「幻の宇宙竹の形をしたロストテクノロジーでは、ないですけど、普通の宇宙竹で七夕やりませんか、皆さん?」
「私、おいしい料理をたっくさん作りますから」
と、いつもの調子でミルフィーユは発言した。もちろん、異論を唱える理由もなくほか三名も参加することになった。そして、ミルフィーユの手料理を囲みながら、エンジェル隊の5人は短冊に願いを書いていた。そして、彼女等の願い事は叶ったのか?それは、皆様の想像にお任せします。
END