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〜ギャラクシーガーディアンズ〜




第一章 『出会い』

第二話



フォルテ:「ふぅ。着いたのはいいけど、一体何処から捜そうか?」
エンジェル隊達は、シヴァ皇子が連れてこられたであろう惑星(ほし)に来ていた。
場所は、この惑星の都市部付近だ。
ミント:「えぇ。データはあるので、迷子になる心配はありませんが…。
こうも広いと、さすがに大変ですわね。どうします?」
フォルテ:「あぁ、ミントの言うとおりだねぇ。エンジェル隊は、ちょうど6人いる。
よし!3方に分かれて、捜すことにしよう。」
と、案を立てる。
フォルテ:「ミルフィーと蘭花,ミントとあたし,ヴァニラとちとせ。
これでいいね?」
エンジェル隊(フォルテ除く):「はい!」
フォルテ:「じゃぁ、ぜんは急げだ。行くよ、ミント。」
ミント:「はい。」
そうやって、2人は行こうとしたが。
フォルテは立ち止まり、蘭花に。
フォルテ:「あぁ、言い忘れてた。蘭花、ミルフィーの事、頼むよ。」
蘭花:「わかってますって。ミルフィーの事は、任せてください。」
そう言って、蘭花はミルフィーユの方に走っていた。
ミルフィーユ:「蘭花〜。何してたの?はやく行こ〜。」
蘭花:「な〜んでもないわよ。それじゃ、行きましょ。」
ミルフィーユと蘭花ペアは、歩みだした。
ちとせ:「それでは、ヴァニラ先輩。行きましょうか。」
ヴァニラ:「…はい…。」
ヴァニラとちとせペアも、歩みだした。
4人は、シヴァ皇子を探す為に、その場から去って行った。
フォルテ:「それじゃぁ、あたしらも行こうか。」
と、相方のミントを促す。
ミント:「えぇ。何としても、シヴァ皇子を、ご無事な状態で助け出さないと…。」
6人は、その場所からいなくなった。
シヴァ皇子を助けだすために…。

ミルフィーユ達は、着陸した付近に位置する
町の商店街の方に来ていた。
そこは商店街。
当然の如く、賑わっていた。
ミルフィーユ:「ねぇ、蘭花〜。どうやって探す?」
蘭花:「えっ!?あんた何も考えずに、こっちの方に来ていたの?」
ミルフィーユ:「うん。そうだよ。蘭花が、何も言わないから、
こっちでいいのかなぁって。」
蘭花は、大きく息を吸った。そして…。
蘭花:「あんたは、アタシがいないと何も出来ないのぉ?
アタシは、あんたの強運を信じて、何も言わずについてきたのよ!!」
一気に、怒鳴った。
周りの人は、何事かと、彼女らを見る。
ミルフィーユ:「うぅ…。」
蘭花:「あんたには付き合ってらんないわ!
フォルテさんに、あんたの事、任されたけど、
もう無理!悪いけど、1人で探すわ!」
そう言い、蘭花は、去っていった。
ミルフィーユ:「あぁ、蘭花、待って〜。」
ミルフィーユは、蘭花を追おうとしたとき。
見知らぬ男が目の前に立った。
見知らぬ男:「お嬢ちゃん、どうしたんだい?何か悲しい事でもあったのかい?
おじさんが、楽しい所に連れて行ってあげようか?」
男はそう言うと、突然ミルフィーユを抱きかかえ、
無理やり何処かへ連れて行こうとした。
周りの人達は、一応、その様子を見てはいるが、
手を出せずに見ているだけだった。
ミルフィーユ:「いやっ!ちょ、ちょっとやめてください!いやぁ、放してー!!」
必死に抵抗する。
ミルフィーユ:「蘭花ーーー!!助けてーーー!!」
自分でも気付かないうちに叫んでいた。
親友の名を。
見知らぬ男:「くそっ!おとなしく…ぐほぉおあぁ!」
男は、ミルフィーユを放した。
ミルフィーユには、何が起きたのかまったくわからなかった。
この声を聞くまでは。
蘭花:「アタシの大切な親友に何してるのよ!」
そう、ミルフィーユの叫び声を聞いた蘭花は、
助けに来て、男を蹴り飛ばしたのだ。
見知らぬ男:「く、くそぉ。てめぇ、何しやがる!2人一緒に…ぐはっぁ!」
蘭花がすかさず男に蹴りを入れた。
男は転倒した。
「す、すげぇ…。」とこれを見ていた人たちは、
蘭花の華麗な蹴りに、同じような感想を持っていた。
ミルフィーユ:「蘭花…。」
蘭花を見上げるミルフィーユの眼には、涙が溜まっている。
先ほどの恐怖と嬉しさでだ。
蘭花:「そんなの言ってる暇があるなら、逃げるわよ!」
2人は全速力で、その場から逃げ出した。

2人:「はぁ、はぁ、はぁ…。」
ミルフィーユ:「こ、ここまでくれば、・・はぁ、はぁ、・・だ、大丈夫だよね?」
普段走りなれていないミルフィーユは、かなり疲れていた。
一方、蘭花の方はというと。
蘭花:「えぇ、アタシの蹴りがはいってるんですもの、
そう簡単に起き上がれないわよ。」
と、体力のある蘭花は、
あまり疲れていなかったが、2人は少し休憩することにした。
そして、休憩をやめようとしていたとき、
ミルフィーユが声をかけた。
ミルフィーユ:「あ、あのね、蘭花。」
蘭花:「ん?なに?」
ミルフィーユ:「さっきは、助けてくれてありがとう。」
ミルフィーユは、さっきの事で、蘭花にお礼を言った。
蘭花:「あぁ、あのこと。やっぱり、あんたはアタシがついてなきゃダメなのよね〜。」
蘭花は、少し怒ったように言った。
ミルフィーユ:「うぅ…。」
蘭花:「ほ〜ら。ウジウジしてると、またおいてくわよ〜。」
ミルフィーユ:「あぁ〜、待ってよ〜。」
2人はまた、シヴァ皇子を探す為に歩き出した。

一方、フォルテたちは、紋章機で降りたった付近の町の
人気(ひとけ)のない路地裏に来ていた。
フォルテ:「うーん、いないなぁ。」
ミントは、さっきから一生懸命に、誰かを捜しているフォルテに尋ねた。
ミント:「フォルテさん、一応聞いておきますが、誰を捜してらっしゃるんですか?」
フォルテ:「あぁ、もちろんシヴァ皇子じゃないよ。」
ミント:「ぇえ!?それじゃあ、誰を捜しているんですの?」
予想もしていなかった返答に、ミントは少し驚いた。
フォルテ:「不良どもを探しているのさ。でも、おかしいなぁ、1人もいやしない。
こういう所になら、必ずいるはずなんだけど…。」
フォルテは答えた。
ミント:「そういうことでしたの。確かに侍女さんの説明で、
「プロではなく不良にさらわれたようです。」と、
おっしゃっていましたわね。」
ミントは、説明を聞いた時を思い出しながら言った。
ミント:「ですが、どうやらこの惑星には、いないようですわ。」
フォルテ:「どうしてだい?」
疑問に思ったフォルテが、質問した。
ミント:「この惑星の事を調べてみましたら、こんな事がわかったんですの。
これを見てください。」
そう言いながら、ミントは、持ってきていたバッグから、
モバイルパソコンを取り出し、いろいろと作業をしてから、
現れたその画面を、フォルテに見せた。
フォルテ:「は?これがどうしたんだい?」
フォルテには、よくわからなかった。
それを聞いたミントは、少々怒った口調で言った。
ミント:「ここを読んでください。なんと書いてあります?」
その部分を、指で指す。
フォルテは、指された部分の文を、口に出して読んだ。
フォルテ:「不良が、一番少ない惑星『フェイル』。……って、あぁー!」
惑星『フェイル』とは、この惑星の名前なのである。
ミント:「わかりましたか?この惑星には、不良など、いるはずがないんです。
まぁ、少しはいるかもしれませんが…。」
フォルテ:「それじゃあ、あたしの、不良を脅してはかせるっていう作戦は…。」
ミント:「無駄だったようですわね。」
フォルテ:「じゃあ、どうすればいいんだい?」
フォルテは、ミントに聞いた。
ミント:「おまかせくださいな、フォルテさん。
このミント・ブラマンシュに1つ、良策がありますわ。」
フォルテ:「それはどんな?」
ミント:「それはですね――――。」
ミントは、説明し始めた。

そして、ヴァニラ達は、
他のメンバーがいる町の教会に来ていた。
ちとせ:「あのー、ヴァニラ先輩。」
ヴァニラ:「はい。」
ちとせ:「何故、教会に?」
ちとせは、疑問をヴァニラにぶつけた。
ヴァニラ:「あっ、すみません。思わず足がこちらの方に向いたので。」
ヴァニラは、理由を言った。
ちとせ:「いえ。でも早くシヴァ皇子を、捜さなければいけませんよ。」
ヴァニラ:「そうですね…。」
そう言うと、祈り始めた。
ヴァニラ:「…神よ、私達を正しき道に導きたまえ…。」
そう神に祈って、ヴァニラは見えない何かに吸われるようにして、歩いていった。
ちとせ:「あっ、待ってください。何かわかったのですか?」
ヴァニラ:「…はい…。」
それだけを答え、歩き出した。
それを、ちとせが追う。

こうして、6人の天使達は、シヴァ皇子という
聖母の子を助け出すために、歩みだした。


つづく

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