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〜another stories〜




シアン=メシアヌス篇

第零話



シアン:「イヤッホォ〜!JACK POT!!(大当たりだぜ!!)」
そう言ったシアンの手には、『ロイヤルストレートフラッシュ』のカードが。
ロイ:「おいおい、マジかよ!?」
そう言いながら、自分の手札を机の上にばらまく。
シアン:「アッはは~。Sorry〜(悪いねぇ〜)。」
と、彼のクセである軽い挑発気味の笑いをしながら、
机の上に無造作に置いてある札束をわしづかみする。
アレル:「全くお前の運の良さは、羨ましいぜ…。」
と半ば呆れ気味のように言う。
ここは、シアンを頭(≒隊長)とした不良グループのアジト(たまり場)。
今日もポーカーで賭けをしながら、楽しく盛り上がっていた。
現在この場にいるのは、シアンと
四天王―シアンを除いて、全体で最も強い4人の事―の5人。
その他に外に見張りとして4人。
そして、そんな盛り上がっている真っ只中に、見張りの一人から急報が。
見張りA:「シアンさん!またあいつらが来ました!!」
座っているシアンの背中に、大声で言った。
「あぁん?」と透き通るような青い眼でガンつけながら首だけ振り返る。
それを見た見張りは、一瞬「ビクッ」とした。
シアンは、そのガンつけをすぐに止め、元の方を向き、立ち上がりながら
シアン:「ったく、あいつらも凝りねぇなぁ〜。
Are you ready?Everybody!!(準備はいいか?お前ら!!)」
と四天王に言う。
自分は、近くの椅子に置いていた黒のコートを手に取り、それを(かっこよく)着る。
それぞれ四天王たちも、戦闘態勢に入る。
イーア:「俺達は準備OKだ。」
と、四天王を代表してシアンに伝える。
それを聞いたシアンは満足げに
シアン:「Okey.Okey.それじゃぁ、Let's go!!(行くぜ!!)」
と言い、相手がいる方角の窓に走っていく。
四天王たちは、きちんと入口に走っていく。
シアンは、軽くジャンプし、窓枠に足を置き、勢いをつけ跳んだ。
シアン:「イィーッヤッハァ〜ッ!!」
落下。
背中の真中辺りまで伸ばし、襟足で結んだブロンドの髪が空に揺れる。
さっきまでシアンたちが居たのは2階。
そこまで高さがないとはいえ、こんなことができるのはシアンくらいだろう。
落下中、コートに付いているホルスターから、自慢の銃を抜き出す。
眼下の敵に向かって、容赦なく引き金を引く。
狙ってはいない。乱射。
そして、地面に両足でしっかりと着地する。
安全靴の周りに砂埃がたつ。
銃からマガジンを落とし、コートの裏面に隠し持っているマガジンを取り出し、
新に弾丸を挿入する。
ちなみにこの銃は、シアンオリジナルである。
つまり、自分で様々なパーツを寄せ集めて作ったのだ。
シアンは、相手をガンつけつつ、銃を器用に回して弄んでいる。
シアンの後ろの方で、ドアの開く音と数人の足音がした。
そう、四天王たちが来たのだ。
アレル:「全く、よくあんなとこから平然と飛び降りられるなぁ?」
と窓の方を見ながら言う。毎度のことなので、全く驚いていない。
ロイ:「そこがシアンのいいところだろ?」
ポカフ:「「いいところ」って…。」
イーア:「無駄話は止めて、戦闘に集中しよう。」
と、まとめ役でもあるイーアが注意する。
回している銃を、タイミングよく掴み、相手に銃口を向ける。
そして…
シアン:「Now...A quarrel the beginning!!(さぁ…喧嘩の始まりだ!!)」
1発銃弾を放ち、敵に突っ込む。
シアン:「I will enjoy myself gaily!!(派手に楽しもうぜ!!)」
それに四天王たちが続く。
敵がシアンたちを狙い、発砲してくる。
敵の数は20人ほど。
それを巧みに避け、敵の1人に寄る。
そして、ジャンプ。
銃ごと相手の頭部を殴り、その銃口と頭部が触れる瞬間に引き金を引く。
シアン:「Don't think that it is bad...(悪く思うなよ…。)」
相手の頭は吹き飛ぶ。
着地し、次の敵に狙いを定め、撃!
胸辺りに風穴を空ける。
そこに、シアン目掛け、銃弾が飛んできていた。
それに気付いたシアンは、コートに下げているナイトスティック(警棒)を
逆手で素早く抜き、その銃弾の速度に合わせ、下から上へ振る。
それが見事に当たり、弾は弾かれ、あらぬ方向へ飛んでいく。
シアン:「Bingo!Too Easy!(ビンゴ!簡単だぜ!)」
そのハイテンションのまま撃ってきた相手に素早く突っ込む。
そして、銃口を胸に当てる。
その間相手は、銃を撃てなかった。まるで蛇に睨まれた蛙のように。
相手の顔は、恐怖でひきつっている。
わずかな静寂。
そして
シアン:「You are the end...!(お前は終りだ…!)」
その言葉と同時に相手は絶えた。
胸の部分が鮮血で染まろうとしている。
銃口を胸から離し、銃を構えながら、周りを見渡す。
死体が転がっている。
立っているのは、シアン,四天王のみ。
シアン:「Good job!Me&You.(よくやった!俺、そしてお前らも。)」
と、ねぎらう。
ロイ:「俺らの勝ちだな。おととい来やがれってんだ!」
ポカフ:「暇つぶしにはなったんだな。」
アレル:「ふぅ…全く、疲れさせるようなことさせんじゃねぇよ…。」
イーア:「どうせまた近いうち、また来るだろうな。」
思い思いに感想を述べる。
シアンは、銃を器用に回転させ、それをジャストタイミングで掴み、ホルスターに戻し
シアン:「まっ、とりあえず、ポーカーの続きでもやろうぜ。」
と、皆を促し、部屋に戻ろうとする。
それに着いていく四天王。

この後、あんなことが起きるとは、誰も思いもしなかったのだった…。


つづく

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